リニア・市民ネット リニアは夢の乗りものか〜リニア中央新幹線計画を問い直す
 
 
 

リニアを身近な問題として考えよう

◆1人1人が考えよう

  • 少子高齢化、現代的な意義の中で、リニアは本当に国民にとってやるべきプロジェクトなのかどうか。
  • リニアは莫大なエネルギー浪費型ののりものです。地球温暖化時代、リニアによるエネルギー浪費、未曾有の大規模自然改変は将来の日本に何をもたらすのでしょうか。
  • リニアは人の命を守れる乗り物でしょうか?

 リニアは「実用化可能な段階」とされたとされていますが、鉄道としての性能と安全性は何もかもが未経験です。東海大地震の発生率は今後30年間で87%と言われています。東海道新幹線も、リニア建設も、地震の被害に合った場合、その被害規模ははかりしれません。また、電磁波の人体への影響も、未知数です。リニアは本当に安全な乗り物なのでしょうか。

  • リニアは、全線80%がトンネルののりものです。速いだけで、日本の美しい地方の山々を貫きながら走行し、ゆっくり景色を楽しむことはできません。

 リニアでは、都市部は「大深度地下トンネル」(地下40m以下)、山岳部は「長大山岳トンネル:(南アルプス貫通20km)、明かり部(地上部分)は電磁波と騒音を防ぐため「フード」で覆われます。

リニアについて考えよう
(リニア・市民ネット「山梨シンポジウム」 2010.9より)

  • 住民・国民の声が社会を変える時代になってきています。その地域は、そこに住む人々以上の地域にはなりません
  • リニア計画の内容を正しく理解する
  • 地域と県民にとって、どのような価値があるのかを考え、隣人と話し会う
  • 自分の考えを、機会があれば勇気を出して述べたり、文章で伝える
  • 批判だけでなく、代替案も考える
  • 意志決定に関与する有力者に考えを聞いてもらい、発言をお願いする
  • ミニコミ紙、新聞、テレビ等の報道、集会等を通して運動の輪を広げる
  • 利害を超え、よい地域社会をつくりたい人々が力を合わせ、考えを行動で示す

 住民がその地域づくりの将来を決めた最近の例としては、滋賀県JR栗東駅新設計画、熊本県川辺川ダム建設計画、広島県鞆の浦架橋建設計画があります。

◆東海道新幹線利用者の方々

  • 東海道新幹線と同じ区間に、さらに速いものをつくることが、将来の日本にとって本当に必要でしょうか。現在の東海道新幹線はどうするのでしょうか。今の東海新幹線を整備することでも、利便性が保てるのではないでしょうか。
  • リニアの利用者負担をどう考えますか?
    東海道新幹線の現在の利用者に、リニアは本当に必要不可欠な選択なのでしょうか。また、利用者負担によるリニア開設と、東海道新幹線の整備は、正当性を持つような内容なのでしょうか。
  • リニア開通と東海道新幹線の大規模改修により、東京〜名古屋〜大阪間の移動は、何十年も不便になります。

 JR東海の計画では、2027年に名古屋までリニアが開通すれば、2030年から10年計画で東海道新幹線の大規模改修を開始するとされています。そのため、大阪以西に行く、東海道新幹線利用者は、名古屋までリニアに乗車し、名古屋で乗り換えることをなります。また、大阪開業も、JR東海は「名古屋まで建設し、一度経営体力を回復してから着手する」としていますが、これほどの公共事業は、期間内に完成するのかも実態は明らかではありません。また、リニアの大阪開業の45年まで17年間、大阪以西へ行く利用者が不便をこうむることは、東海道新幹線利用者にとっても切実な問題です。また、リニアは必要ない!と思っていても、東海道新幹線がストップしてしまえば、リニアに乗らざるを得ないのです。名古屋の乗り換えが非常に厳しいと、むしろ鉄道の需要は減ることもあるのではないでしょうか。

◆地域住民の方々

  • 自分の住む地域にとって、リニア中央新幹線は本当にメリットがありますか?

 リニアにとって、最大の課題は、在来の鉄道システムと乗り入れができないことです。首都圏に行く際に、リニアの新駅からの在来線への乗り換えなど移動時間を考えると、本当に超高速の便利な乗り物なのでしょうか。今日常的に利用している在来の鉄道は、リニアによって需要がなくなるかもしれません。

  • 沿線各地のリニアの新駅設置は、1人1人の税金でまかなわれます。

 リニアは駅については、地元負担です。地上駅350億円(山梨県、長野県、岐阜県、三重県)、地下駅2200億円(神奈川県・奈良県)です。少子高齢化時代を迎える中で、納税者としても、これからの日本にとってリニアは本当に負担すべき公共事業であるのか、それぞれの地域での視点が問われています。

◆企業に関わる方々

  • JR東海一企業による事業はどれほど的確性や事業遂行能力があり、社会に影響を与えるのでしょうか。実情を冷静に検討しよう

 JR東海の自己負担による開業宣言によりリニアが一気に現実化しましたが、リニアには莫大な建設費用がかかります。そもそもJR東海という一企業が、日本の構造の大転換を余儀なくする中央新幹線を建設することに、どれほど的確性や事業遂行能力があるのでしょうか。一企業で遂行できなかった場合、社会にどのような影響が生じるのでしょうか。また、電力量、エネルギー需要ははかりしれません。また、リニアが開通すれば、在来線、道路、航空などの交通体系が多大な影響を受けることは明らかです。

◆政府・行政の方々

  • 「中央新幹線の整備計画」に対する政府の判断と責任はきわめて大きいものです

 今回の中央新幹線計画は、「リニア方式」、「わが国に第3の鉄道導入」、「大深度地下利用」、「JR一企業による全額自社負担」、「途中駅建設費の地元負担」、「安全性確保」、「工期30年等」「1社が2方式の高速鉄道運行」「需要減少必至の市場環境下での巨額な新線建設」の点で前例がないだけに政府の判断が注目されます。政府に強く求めたいのは、リニア鉄道導入の適否に対する政府の明確かつ見識ある政策判断です。

 
 
   
     
 
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